コロナ禍で寂しいのでひとりでデート気分になれないか考えてみた
2020年9月
コロナ禍により、人を誘いづらい空気が蔓延していた。
家でひきこもる中、ひとりPCに向かいタイムラインを眺めていると――ツイッター周りでの結婚報告やらなにやら。
こっちはひとりでひきこもってて寂しいんだよ! 畜生!
いいや、こっちも楽しそうなお出かけをしてやる!
そうして、私は「ひとりデート」の計画を立てたのだった。
ーーこのときはあんな結末になるなど全く予期していなかった。
1.デート相手を決めよう
ひとりデートと名乗ったが、相手が居ないとデートは成り立たない。
自分には見えるけど他の人からは見えないデート相手――AR技術を使えば行けるじゃん! 私天才!
とテンションがあがったところで、早速デート相手を決めることにした。
なんでガシャなのか?
このゲームではガシャにて所属してくれたアイドルとのみAR撮影できるのだ。
そしてガシャ結果は――
デート相手は衛藤美紗希さん(22♀)に決定した。
(知り合いの推しじゃなくてよかった…。と胸を撫で下ろしたのだった)
2.デート場所を決めよう!
さて相手が決まったら次は場所だ。
衛藤美紗希ちゃん、見るからにキラキラ系女子だよね。
なら横浜でキラキラデート――と思ったが、筆者の現在地は愛知県三河地方――遠すぎるため却下!
名古屋によいデートスポットはないものか。
人や本を使ってたどり着いた結論は長島リゾート!
https://www.nagashima-onsen.co.jp/
アウトレットモールに遊園地に、植物園のライトアップ。
観覧車で向かい合って座ってる写真もとれるとか、完璧じゃないですか!
え、名古屋で探してたんじゃないか? 名古屋からすぐだし、誤差誤差。
3.デート当日!到着!
デート当日。お気に入りの洋服を来て、長島リゾートに到着した。
早速ARカメラを起動して撮影をしてみる。
ARカメラの画面はオーダーという機能がある。
これは美紗希ちゃんが指定したポーズを撮ってくれるものだ。
最初にお願いするなら「美紗希ちゃんっぽく」しかないでしょ!
ということでハイチーズ!
記念すべき1枚目の撮影完了――なのだが…何かが違う。
なにか『デート』ではないのだ。
そして気づいた。デートの視界ではないのだ。
それに対してシャッターを切る自分。
――この関係はデート相手ではなくコスプレ嬢とカメ小なのでは?
課題が見つかったら早速解決だ。
デートらしい視界とはなんだ。
きっと美紗希ちゃんは買い物が好きだ。
ジャズドリーム長島(長島リゾート内アウトレットモール)に来たら、自分をおいて次のお店へと踏み出してしまうのではないか?
そうだ、まっすぐこっちを見ているのが悪いのだ。
ということで早速試してみた。
すごくデートっぽくなった。
なお、この写真を取るまでの私の動きは
であった。
とても怪しい人に見える気もするが、気にしていては『ひとりデート』はできない。
一緒にウィンドウショッピングをして、Tシャツを選んでもらって購入。
4.ランチを食べよう
動き回っていたところでお腹が空いてきた。
ジャズドリーム長島内には30件ものレストランやカフェがあるらしい。
どこにしようかなと歩いていると
美紗希ちゃんが気になる店を見つけたとのことなので、こちらのCafe TANAKAでいただくことにした。
なかなかボリュームがあるサンドイッチが二人分来たので一緒に食べましょ。
……あのー、美紗希ちゃん?
一緒に座って食べませんか?
……。
気づいてしまった。
椅子に座るポーズが用意されていない!
用意されていたとしても、机より前に来てしまうのだ。
美紗希ちゃんは常に視界に写るすべてのモノの最前面にしか存在できないのである。
ということはつまり……観覧車デートはできない。
大変悲しい事実を発見してしまったが、まだ時間はある。
サンドイッチは大変美味しく、気力も回復した。
気を取り直して、食べ物を食べる光景に再チャレンジだ!
食べ物を食べるのはレストランで座ってだけでない。
立ち食いをすれば良いのだ。
そしてデートの立ち食いといえば「あーん」でしょ。
横から「あーん」なら、先程の『最前面にしか居れない問題』もクリアできるはずだ。
ということで、引き続きCafe TANAKAさんにてデザートのソフトクリームで「あーん」に挑戦!
ソフトクリームを買って、人の少ない場所へ行って――って、ソフトクリームが溶ける溶ける!
急いでセットしてシャッターを押さねば!
――案の定、努力の甲斐はなくブレッブレだ。
ソフトクリームも溶けてきてどんどん見た目が悪くなるばかり。
こうして一緒に食事を摂るのは諦めたのだった。
5.なばなの里に移動
気分を変えて、アウトレットモールからなばなの里へ。
思っていたより広そうである。
っと、あるいていたら突然水が。
なにかと思ったら、木から木へつながっているホースに穴が空いている。
そこから水を出して打ち水の代わりにしているのだ。
これには美紗希ちゃんもびっくり。
驚いた横顔が大変かわいらしい。
と歩いていくとどうやら何かを見つけたらしい。
ベゴニアガーデンという企画展がやっているようだ。
25℃と涼しいし、入ってみようか?
キレイ&めちゃめちゃ涼しい。
天井から吊るされたベゴニアのおかげなのかクーラーがよく効いた部屋に入ったような感覚である。
ふふふ、ここまでで鍛えたAR撮影技術でうまく驚いている横顔を…
と頑張って位置選定をしていたところ、後ろに人が来たので避ける。
って…あれ見覚えがーー会社の上司では?
しかも奥様付き。
この対比である。
奥様から「いつも主人がお世話になっております」と挨拶されたものの私の頭はパニック!
いや、私デート中ですから!
相手居ますから! 見えないかもしれませんが。
愛想笑いとともに(なにを言ったのかパニックで覚えていない)誤魔化すように美紗希ちゃんの居ないベゴニアガーデンの写真を撮り、逃げるようになばなの里から立ち去った。
それから3ヶ月後。
上司から「ひとりでああいうところ周って、寂しいんだろうな」と同情を向けられていたことを知るのだった。
6.まとめ
ARカメラを使ってデート気分に浸ってみることはとても楽しかった。
ARカメラに慣れていくにつれて、良い構図が思い浮かびやすくなっていく。
ベストだと思う構図の写真が撮れた時の快感は沼のようでどんどんハマっていった。
上司と会うまでは。
世の中には世間様の目がある。
知り合いにあってしまうと大変いたたまれない気持ちになるので、よく周りを観察しながらARカメラを試していただきたい。
※この記事は #企画:ひとりでできるかな にて企画し作成しました。
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